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質量流量と体積流量

質量流量と体積流量

1.    マスフロー(質量流量)とは?
2.    質量流量と体積流量はどのように相関するのか?
3.    なぜ質量流量に体積流量の単位を用いるのか?
4.    質量流量と体積流量をどのように測定し制御するのか?

あなたが化学/製薬/食品製造プロセスにガスまたは液体の化合物を添加したいとします。そのような流体を時に1 kgキログラム、質量の単位)添加するか、1 lリットル、体積の単位)添加するかにより、差異は生じるでしょうか。

この問題について詳しく見てみましょう。

化学産業や食品産業の多くのプロセスは質量(マス)に関係しています。化学反応は反応物または成分の質量に依存しており、それゆえ正しい質量比で投入することが重要です。また、ガス・石油事業に限らず、保管・移送用途の場合、交換された流体の質量によって価格が決まります。バッチプロセスにおいては供給された質量(マス)が関係し、連続プロセスでは質量流量(マスフロー)に依存します。

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1. マスフロー(質量流量)とは?

基本的には、質量流量(マスフロー)は特定の時間内に流れるガスまたは液体の質量であり、例えばkg/h(キログラム毎時)やg/s(グラム毎秒)のような単位で表されます。同様に、体積流量(ボリュームフロー)は特定の時間内に流れるガスまたは液体の体積であり、l/h(リットル毎時)やcm3/s(立方センチメートル毎秒)のような単位で表されます。


2. 質量流量と体積流量はどのように相関するのか?

流体の取り扱い時、質量での取り扱いと体積での取り扱いでは挙動に差異が生じます。体積は温度圧力と言ったプロセス条件に影響されますが、質量は影響を受けません。同じことが「流れる」質量と体積にも当てはまります。

単位kg/m3で表されるガスまたは液体の密度が質量流量体積流量を結びつけます。この密度は温度と圧力に依存します:温度が高くなれば徐々に密度は小さくなり、圧力が高くなれば密度が大きくなります – そして液体に比べガスの方がその影響を大きく受けます。体積流量質量流量を流体の密度で割ることにより求められます。体積流量は温度と圧力により変動しますが、質量流量は温度や圧力が変わっても一定です。


3. なぜ質量流量に体積流量の単位を用いるのか?

上記の理論に従うと、質量流量はg/hmg/sなどの単位で表現されるべきです。しかしながら、ほとんどのユーザーは体積の単位で考え、働いています。それでも問題ありません。特定の圧力・温度条件の組み合わせを選択し、その条件におけるガスの密度値を用いて質量流量を体積流量に換算すれば良いのです。世界的には、換算のための様々な基準条件が用いられています。

以下の基準条件はブロンコスト(Bronkhorst)で用いられているものです:

  • mln/minやm3n/hのように流量単位に下付きの”n”を加えて表す時、質量流量から体積流量への換算時に温度0°C、圧力1 atm (a)(1.013 bar (a))における流体の密度を用いていることを表します。下付きの”n”はヨーロッパにおけるノルマル参照条件を示すものです。
  • これはsccm(standard cubic centimetres per minute)やslm(standard litre per minute)のように接頭辞”s”を用いる単位と同じもので、これはアメリカの標準条件である温度0°C(32°F)と圧力1 atm (a)(1.013 bar (a), 14.69 psi (a))を参照しています。
  • 他方、ヨーロッパのスタンダード条件の参照条件として用いられるのは温度20°Cと圧力1 atm (a)(1.013 bar (a))で、mls/minやm3s/hのように体積流量単位に下付きの"s"を付けて表します。これらの条件は平均温度と海面における圧力に相当するものです。

ブログ:参照条件(基準条件)

ご注意下さい:
質量流量から体積流量への換算時、あなたがどの参照温度圧力を用いているか確認下さい。これらの差異に心を留めて下さい。ガス流量の場合、ノルマル条件とスタンダード条件(温度0°Cと20°C)を混用すると約7%の誤差に繋がります!

流量計の参照条件
ヨーロッパとアメリカの参照条件の相違

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4. 質量流量と体積流量をどのように測定し制御するのか?

ブロンコスト(Bronkhorst)はガスおよび液体の質量流量および体積流量の測定・制御用に様々な製品をラインナップしております。動作原理がサーマル(熱)式あるいはコリオリ式の機器は熱伝導率や慣性質量を介して質量流量に直接結びつきます。

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質量流量計と体積流量計の例

  • マスフローコントローラEL-FLOW Selectアイスクリームの製造過程で空気を送り込む(通称エアレーション)際に用いられます。多くの場合、質量流量はmln/minやln/minなどの単位で表されます。
  • 新たなマスフローメータ・コントローラFLEXI-FLOW Compactもサーマル質量流量測定原理に基づいて動作します。TCS(chip sensor)技術により機器は非常に小型化され、高速応答であり、質量流量に加えガスの圧力測定・制御も可能です。
  • ブロンコストのコリオリ式マスフローメータ・コントローラmini CORI-FLOWは、例えばRNAワクチン製造に用いられており、液体状のワクチン原料を精度よくかつ繰り返し性よく測定できます。液体の質量流量はg/h(grams per hour)のような質量流量単位で直接表されることが多く、事実上温度・圧力変動に影響されません。
  • 超音波流量計・調節計ES-FLOWは超音波を用いて液体の体積流量を測定・制御します。効率よく液体の流速を測定し、それに機器内のチューブ断面積を掛けることで液体の体積流量としています。これらの機器は、例えばキャンディ製造工程において着色料、香料、酸などの投入量測定に用いられています。

ブロンコスト製品において、質量流量が体積流量単位で表されている場合、その機器の参照温度・圧力は校正証明書上に明記されています。

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